花王株式会社 主催で行なわれた 2005年日臨皮 市民公開講座の情報です。


特集市民公開講座レポート 専門家が語る 美しく健やかな肌を保つ方法
1.会頭の服部先生から開催の趣旨をお話いただきました 2.開始直前レポート 3.各先生の講演内容をご紹介します 4.当日参加の皆さんから寄せられた声をご紹介!
各先生の講演内容をご紹介します
司会:市橋正光先生(神戸大学皮膚科名誉教授)
太陽紫外線防御研究の権威でもいらっしゃる市橋正光先生。
突然、目の前の大きなスクリーンに映し出された男性の写真。実は普段から山歩きがお好きという市橋先生の尾瀬を散策された際のお写真でした。
その格好は、帽子、長袖シャツ、首にはタオルを巻いた完全防備。これからのシーズンはハイキングや登山など、山でのレジャーを楽しむ方も多くなりますが、忘れがちなのが紫外線対策。市橋先生曰く、「これこそ肌のプロが山を歩く時のスタイル」として披露してくださいました。

また、“美しく健やかな肌を保つ”ということは老化、紫外線、乾燥から肌を守るということ。「今よりも、10年後に自分の肌がどんな状態になっているかをイメージして、肌の自己管理をしていくことが大切。今回の市民公開講座を通じて、そのための知識の鏡をしっかりもっていただきたい。」と、講演される3人の先生をご紹介してくださいました。

防いでいただきたい紫外線 気になるシミ・シワのでき方と予防って 石川治先生(群馬大学皮膚科教授)
トップバッターは群馬大学の石川治先生。
「今回、注目したいのが何年間も蓄積された紫外線の影響です。」と講演がスタートしました。
肌のシミやシワをつくる大きな原因となっている紫外線。人間は生まれてから18歳までの間に、生涯浴びる紫外線量の約50%を浴びているとのこと。これには会場中が一斉に驚きの様子でした。
参加者も、子供のころからの紫外線対策に取り組むことの大切さを遅まきながらも実感させられたようです。一方、大人になった今からでも紫外線対策をはじめることが将来のシミ・シワ予防のためにも重要とお話されていました。
紫外線量は季節や時間、場所、天気などでも大きく異なるとも。
例えば、5月〜8月は紫外線量が冬場の約6倍になる、1日のうちで最も紫外線が強いのは10:00〜12:00の間、曇りの日でも晴れの日の50〜60%の紫外線がある、山などで高度が300m高くなると紫外線も4%高くなる、雪の中では紫外線が約2倍になるなど、具体的な注意ポイントを指導してくださいました。
保っていたいお肌のうるおい お肌が乾燥するとどうなるの? 江藤隆史先生(東京逓信病院皮膚科部長)
「皆さんは高級ブランドの皮製バックは手入れをちゃんとするのに、自分の皮(肌)はしっかりとした手入れをあまりしていないのでは?」とユーモアたっぷりに会場を沸かせていたのが江藤隆史先生。
学会で海外に出られたときに偶然見た皮膚の構造とよく似た形の土塀の写真などを交えながら、皮膚の構造など、一見すると難しい情報をわかり易い語り口調で説明してくださいました。
参加者も先生の口調に思わずお話に引き込まれていました。
ダメージから肌を守るためには、潤いのあるみずみずしい肌を保ち、肌のバリア機能を低下させないためのスキンケアがとても大切。特に肌の乾燥対策として「入浴後の保湿ケアが大切」と、入浴後20分以内の保湿ケアの重要さをお話されていました。
入浴後は入浴前より肌の水分量が下がっている、という比較データを見たことで参加された皆さんも大きくうなずき納得の様子でした。
保湿剤と日焼け止め 上手な選び方と使い方 鈴木裕二先生(花王株式会社スキンケア研究所副所長)
皮膚の専門家である先生方のあとを継いで最後にお話くださったのがスキンケア製品の専門家である鈴木裕二先生。
製品の基礎から、紫外線防止剤の種類の違いまで、とても丁寧にお話していただきました。
特に参加者の方が身を乗り出してメモを取りながら真剣に聞いていたのが、紫外線防止剤の種類の違い。紫外線防止剤と紫外線吸収剤という2種類の違いをわかりやすくソフトな語り口でご説明くださいました。
特に梅雨が明けると本格的な日焼けシーズンに突入するという6月だったということもあり、参加者の中には初めて聞く紫外線防止剤の各々の違いや、保湿剤上手な選び方と使い方についてメモを取っていたのが印象的でした。