【アフリカへ行きました】
 
49)旅の総決算 その5
 
その5 不要品(お小遣い、虫除けグッズ、マスク、など)
 
今回の旅は、海外旅行先としてマイナーな所だったために、情報も乏しく、旅行先では何が必要か不要かを判断するのに悩んだものです。
都市部へ出かけていくのとは異なり、草原というのは初めてでした。
子供が小さい頃は国内の海岸や高原へは行きましたが、今回は外国ですしおまけにスケールも違います。
今振りかえると、「なるようにしかならない派」の私にしては少し準備に過剰反応を呈していたようです。
まあ、用意して持って行ったけれど、使わずに済んだのであれば、喜ぶべきことだと割り切ることにしました。
 
《お小遣い》
予め、旅行会社へ旅費、宿泊費などの費用を払い込んでいたので、現地で必要となるお金だけあればよかったのです。
一応、困ったことが起きたときに対処する費用と、お土産その他を買うためのお小遣いさえあれば事足りそうに思われました。
案内書によれば通貨はケニアシリングですが、大抵のところでUSドルが使えると書いてありました。
日本国内ではケニアシリングへの両替は出来ないらしいのです。
でも、ケニアシリングはロッジでも両替可能と言うことなので、USドルだけを現金で持って行くことにしました。
どう考えても今回、トラベラーズチェックを使うような場面はなさそうなので用意しませんでした。
お小遣いの使い道は、言うまでもなくお土産を買う、口寂しいときにちょっとつまむお菓子を買う、急に必要になった身の回り品を買う、ことくらいでしょうか(空港免税店のブランド物には関心がありません)。
 
ケニアへ到着して、国内線に乗り継いでナイロビを離れ、1週間後にふたたびナイロビへ戻ってくるまで、マサイ・マラにはどんな種類の商店も見当たりませんでした。
日頃、どこへ行っても当たり前のように並んでいる各種自動販売機だってありません。
日本で観光地と言えば、かなり辺鄙なところでも土地の特産物やお菓子などを売る直売所あるいはドライブインがあり、観光客はそこへ引き寄せられてゾロゾロ入っていきます。
お金さえあれば何の不自由もなく24時間、飲料水から食品、日用品まで何でも手に入れることが出来る日本とはまったく異なった世界でした(もっとも、ナイロビから自動車でマサイ・マラへ移動すれば、途中にキヨスクとかドライブインがあったかも知れません)。
今時の若者なら少し困ったかも知れません。
 
マサイ・マラ一帯にはまったくお店はなかったのですが、ロッジの管理棟にはこぢんまりした可愛らしいショップがありました。
木彫りの動物(ここでは当然第一のおみやげ物になります)、サイザル麻の手提げ、指輪などの小物、紅茶、コーヒー、チョコレートなどのお菓子、絵はがきなどが並んでいました。
初日、お菓子の好きな私は試しにチョコレートを買ってみました。
ケニアでは良く出回っているらしくて、ナイロビの街のスーパーマーケットにも並んでいた物ででケニア国内製造の物です。
口の中での融け具合が余り気に入らなかったことと、こちらでは朝・昼・夕3食ともしっかりいただいていたので、「お菓子をつまむ」こと無く過ごせたので、以後何も買いませんでした。
 
私がロッジでお小遣いを使ったのは、絵はがきと黙って日本からマサイへ帰ってしまった「シマウマの指輪」だけでした(「34)私のシマウマ」参照)。
ここで私は毎日ボケッとした暇な時間を、あちこちへ送る絵はがきを書くのに費やしていました。
絵はがきだけは、本当にしげしげと管理棟のショップを訪れて買い求め、書いた絵はがきの投函を頼んでいました。
ですから私が売店へ顔を出すと、いつもレジスターの前に坐っているマダムは白い歯を見せて微笑み、問いかけるように首を傾げます。
そして、直ぐに引き出しから切手をとり出し、持って行った葉書に貼る準備をしてくれるようになりました。
ここでの郵便事情がどのようになっているのか知りませんが、書いたものはロッジで出してくださると言うことなのでいつもお願いしていたのです。
郵便屋さんが毎日来るのか、ロッジでの必需品の輸送(恐らく自動車)の時に纏めて運んでいるのでしょうか。
とにかく日本へ到着するのに時間がかかったことは確かです、マサイ・マラに到着して直ぐに出した絵はがきが、従姉妹の手元に届いたのは私が帰国して数日後のことだったそうです。時間はかかったようですが、行方不明になった絵はがきはありませんでした。
そんなわけで、ケニアへの旅行はお小遣いを使わない倹約旅行だったのです。
お土産の代わりに 【アフリカへ行きました】 を読んでいただこうという図々しい魂胆の私なのでした。
 
 
《虫除けグッズ》
何と言っても心配だったのは昆虫が媒介する病気でした。
それに娘は虫に指されやすく、しかも腫れやすいので、その対策も気になっていました。
サバンナでの心配の種は以下の3種類でした。
  1 黄熱病(予防接種)
  2 マラリア(予防内服薬)
  3 虫さされ(防虫=蚊取り線香、虫除けスプレーなど)(外用薬、場合によっては内服薬)
 
黄熱病は、準備段階のところでお話ししましたが、1)前橋近辺では東京か横浜でしか予防接種が出来ない、2)申し込んだものの、その時点で在庫が無く、しかもいつ入荷するか分からないとの返事でした。
それにケニア入国に注射済みの証明・イエローカードは必須ではないので予防接種は取りやめました。
 
マラリアの予防は内服薬しかありませんが、日本では入手不可能らしいです。
ナイロビ市内ホテルのドラッグストアで買えるとのことでしたが、ナイロビは治安が悪いので宿泊をせずにマサイ・マラへ飛ぶことにしたので、購入できないまま終わりました。
要するに、媒介する蚊に刺されないようにしましょうと言うことにしておきました。
 
結局、蚊を含む虫さされがいちばんの難問になりました。虫の中でも特に蚊が諸悪の根源(?)かと思い対応策に少々苦慮しました。
蚊に刺されなければマラリアなんか平気です。
  
幾つかのロッジでは、「蚊帳付きのベッド」が用意されているようでしたが、私たちが泊まったところはただのベッドで、蚊帳はありませんでした。
天井からフワッとベッドを取り囲むように垂れ下がる蚊帳は、ロマンチックな夢が見られるのではないかと思ったのですが・・・。
 
虫さされは私の専門ではありますが予防はどうしましょう。こんなこと、学生時代に習ったかしら? 
考え得る最善策として、荷物の中に「蚊取り線香一箱」、蚊取り線香を置く「金属製の皿」を用意しました。
蚊取り線香を持ってゲームドライブに出ていくわけにはいかないので、あとは塗布式の虫除けを持参しました。
スプレー式が便利かと思いましたが、搭乗時の手荷物検査で引っかかる可能性があるので止めたのです。
 
私にしては神経質にあれこれ考えて行動しましたが、旅行がもしも自分一人だったのなら、これほど気を遣わなかったと思います。
実際にマサイ・マラへついて一週間、大自然の中に身を置いたのですが、蚊、ブヨ、ダニ、アブ、ハチなどには一度も出会うことなく、当然刺されることもなく過ごしました。
あんなに真剣に考えたのですが、結局蚊が多いところは水辺の湖沼地帯らしいのです。
高地は涼しいこともあって蚊はいなかったのです。
旅行計画を立て始めた頃、フラミンゴを見にナクル湖辺りへ足を延ばそうかと考えたのですが、2日余計にかかりそうなので止めました。
もし行っていたら、そこで蚊に刺されたかも知れません。
 
そんなわけで、蚊取り線香、虫除けの塗布薬は手をつけないまま、持ち帰った次第です。
荷物になりましたが、「安心」と交換したと考えましょう。
 
《マスク》
これは前にも書きました(旅の総決算 その2「ほこり避け」参照)。
事前に収集した情報の中に「乾季のほこり避けにマスクは便利」ということで荷物に入れていったのですが、一束まるまる、開封もせずに持ち帰ったものの一つです。
来年の花粉飛散の時期に使えるかも知れません。