【アフリカへ行きました】
 
50)マサイで出会った動物たち
 
私が幸運だったのか、訪れたタイミングが良かったのか、ガイドのマコーリさんの腕が良くて熱心だったのか良く分かりませんが、マサイ・マラでは沢山の動物たちに出会うことが出来ました。
はるばるアフリカまで出かけていった甲斐があったというものです。
 
アフリカへ行った誰もが出会いたいと憧れる、アフリカン・ビッグ・ファイブ(最強の捕食動物、最大の草食動物5種)もヒョウ以外の、ゾウ、ライオン、バッファロー、サイを観察することが出来ました。
残念ながらヒョウには会うことが出来ませんでしたが、シロサイはマサイ・マラ国立保護区でもこの母子2頭しかいないと言われているものです。タンザニア・セレンゲテイにこの子の父親がいて、この母子があちらへ定期的に行く「通い婚」の関係だそうです。
母子がタンザニア側へ行っている最中だったら会えなかった動物で、本当にラッキーでした。
また、ヌーの川渡りにはタイミングがあるので、テレビクルーが何日も待機してやっと撮れると言う光景だそうです。
それなのに、思いがけなく自分の目でしっかり観察することが出来て本当に良かったです。
 
このシリーズの中で取り上げた動物は、マサイ・マラで出会った動物たちのごく一部に過ぎません。
取り上げなかった動物たちを無視したわけではありませんが、やはり大型動物や有名な捕食動物に目がいってしまったのが実情です。
有名なタレントさん達の一挙手一投足に、ついつい関心を持ってしまう気持ちと同じなのでしょう。
そんな私たち観光客の気持ちを知ってか、知らずにか、ガイドのマコーリさんもビッグ・ファイブなどの動物を追い求めてサバンナの中を駆けめぐってくれていたように思います。
 
どれだけの種類の動物たちに出会ったのでしょうか、まだ数えてみていません。
サバンナで出会った動物たちは皆逞しく生きていました。不幸にも捕食動物に掴まって命を落とす動物も少なくありません。
でも、その犠牲のお陰でこのサバンナでは他の動物たちが生きながらえることが出来るのだと思います。
ここに、出会った彼らの名前を列記して、敬意を表したいと思います。
(記録し忘れた動物、見たのに覚えていない動物もいるはずです、ごめんなさい)
 
動物:
アフリカンバッファロー、アミメキリン、イボイノシシ、インパラ、ウオーターバック、エランド、オオミミギツネ、オグロヌー、オリックス、カバ、シマウマ、
ジャッカル、セグロジャッカル、ゾウ、チーター、ツチブタ、トピ、トムソンガゼル、ナイルワニ、ハーテビースト、ハイエナ、バブーン(サバンナヒヒ)、
マサイキリン、ライオン、リードバック
 
イボイノシシ
身体に対して頭が大きく愛嬌のある姿をしています。
マコーリさんもイボイノシシを見つけると、何故か『あれは、イボちゃんです』 と言って徐行してくれました。
マコーリさんにしては珍しく日本名で動物の名前を教えてくれたこと、しかも愛称で『イボちゃん』呼んだことがとても可笑しいでした。
多分、以前に案内した日本人観光客(若い女性?)が『イボちゃん』、『イボちゃん』と呼んでいたのを耳にしてから、日本人観光客に使っていた呼び方ではないかと思いました。
謹厳実直そうで、あまり冗談も言わないマコーリさんが、この時ばかりは『イボちゃん、イボちゃん』と可愛い呼び方をするので、その対比がなんとも絶妙で忘れられません。
跪いて背丈の低い草を食べるので膝に「座りだこ」があると言うことですが、充分観察しないうちにイボちゃんの前を通り過ぎてしまいました。
観察できなかったことは、皮膚科医としてちょっと残念でした。写真ではよく分かりません。
 
  これでも大人のイボイノシシです。
  頭が大きいのでまるで子供のような体型に見えます。  
 
バブーン
サバンナヒヒのことです。数十頭の大きなグループで暮らしているようでした。
ロッジの近くの木のあるところとか、保護区へ行く途中の林の中などでよく見かけました。車には慣れているらしくて徐行する私たちを、逆に観察しているようなそぶりを見せていました。
警戒心が強いのでしょうか、その他の動物たちに較べるとずっと私たちとの距離を保っているようで、間近に写真を撮ることが出来ませんでした。
 
トピ
トムソンガゼルやインパラ、ハーテビースト達と似たようなスタイルで角を付け、ウシの仲間に所属します。
トピはトムソンガゼルに較べると一回りか二回り大きく、日本の赤ちゃんのお尻にある蒙古斑のように、両方のお尻から太股にかけて灰色になっているのが特徴の一つです。
そのお陰でお尻さえ見れば私にも簡単に見分けることが出来ました。
貴公子然としたトムソンガゼルと同じように、トピも気品が漂っています。何となく見かけのさえないヌーも同じグループの動物とは・・・見かけだけでは判断できないものです。
 
  トピ。お尻から太股にかけて灰色です。
  丁度、日本人などの赤ちゃんのお尻に見られる「蒙古斑」に似ていました。
 
 
鳥:
アフリカハゲコウ、ウシツツキ、エジプトガン、エジプトハゲコウ、ダチョウ、ノスリ、ハゲワシ、フランコリン、ヘビクイワシ、ホロホロチョウ、ライラックニシブッポウソウ、名前を知らない小鳥
 
鳥はこのほかにも沢山目にしたはずなのですが、積極的に名前を教えて貰って、記録してあったものはこれだけでした。
今、こうして列記してみると、もっときちんと一種類ずつ名前を教えて貰って整理しなかったことが悔やまれます。
 
ホロホロチョウ
アフリカ原産で、日本でも食用にされています。
輸入しているのか、養殖しているのか分かりませんが、以前都内を歩いているとき、料理店の看板の中に「ホロホロチョウ」と書いてあるのを見たことがあります。私はまだ一度も食べたことがありません。
地味なダークグレイ地に小さな白い水玉模様のある、ころころっと太った鳥でした。
いつも群れで歩いて、一度も飛ぶところを見たことがなかったのです、彼らは飛べるのでしょうか。
 
名前を知らない小鳥
ロッジのナチュラリストに庭内を案内して貰っているときのことでした。
枯れ草の中に黄色っぽい灰色の小さな鳥が転がっていました。
外から見たところケガはないようでした、落ちた理由は分かりません。
ナチュラリストは両手でそっと拾い上げ「まだ生きている」といい、日陰へやさしく横たえてやりました。
私たちは「元気になって」と祈るような気持ちでその場を離れました。
「可哀相に」と見とれて、この鳥の名前を教えて貰うのをすっかり忘れていました。
 
 
   ハゲワシ。ライオンの食事が終わるのを待っています。 
   王様がマントをひろげたようでとても風格があります。
 
 
このように名前を書き上げてみると、鳥はともかく、動物の中にはまったく話題にしなかったものも沢山残っていました。
マサイ・マラのサバンナには、まだまだ沢山の種類の動物や鳥類、は虫類、昆虫などがいるはずです。
もしもう一度マサイ・マラへ来る機会があれば、その時には彼らにも目を向けてみたいと思います。