【アフリカへ行きました】
 
4)一気にマサイ・マラへ
 
関西国際空港を離陸したのが23時20分。
ドバイ国際空港で乗り換えて、ケニア・ナイロビ到着は現地時間の正午過ぎ(時差はマイナス6時間)。
2路線の国際便では寝ては食べ、食べては寝て、結局3度のお食事とデザートまでしっかり戴き、まさにブロイラー状態でナイロビ到着です。
食事時間以外にもギャレー脇のテーブルにスナックがいろいろ取りそろえられていましたが、さすがに手が出ません。
 
ナイロビのジョモ・ケニアッタ空港で現地人ガイドさんの出迎えをうけ、国内便専用のウイルソン空港へ車で送ってもらいました。
20分ほどの道のりでしたが、沿道にはハイビスカスが見事にさいていていました。
ウイルソン空港の建物はとてもこぢんまりしていて、小さなロビーには乗客らしい人が数人待っているだけでとても静かでした。
外の日射しは強いのですが、空港ロビーは思いがけなく涼しい風が吹きぬけていました。
滑走路脇に剥げたり、錆びたりした小型機が何機かとまっているのが見え、少しビビリました。
 
搭乗の前にロビーで私たちの荷物にそれぞれ緑色の厚紙に「Kityuwa Tenbo(キチュワ・テンボ)」と印刷されたタグが付けられました。
家族みんなが必死で軽量化を図ったあの荷物です。
何台かか駐機している中で、プロペラが一つの、とても小さな飛行機の前へ案内されました。
この日、14時30分発マサイ・マラ行きの便は相客無し。
機内には12人分の席がありましたが私たち4人だけの貸し切り直行便となりました。
 
目的地マサイ・マラの国立保護区の内外には6カ所の空港?(滑走路?)があり、それぞれ近にあるロッジが共同で利用しているそうです。
私たちの行き先は『キチュワ・テンボ(空港?)』です。荷物に付けられたタグに書いてあった名前です。
スワヒリ語で「象の頭」という意味だそうです。地名らしいのですが、とてもケニアらしい可愛い名前だと思いました。
 
機長は操縦席に座れるかどうかと思われるほどの立派な体格の方です。
離陸前、定番の緊急時の対応を早口で喋るやいなや飛び立ちました。所要時間は44分とのことでした。
車輪の磨り減ったやや古ぼけた飛行機なので少し心配しましたが、とても滑らかに離陸しました。
ちょっと揺れ気味でしたが小型機なので高高度ではなく地上の様子が見え、それなりに楽しめました。
機内食はミントキャンデイの小さな籠が回され、あとは椅子のポケットに入っているミネラルウオーターです。
窓から下を覗いていると、なにやら煙のようなものがふわふわ漂ってきました。
いったい何の煙かと驚きましたが、それは低いところにある雲をプロペラが蹴散らしているのでした。
 
市街地を離れるに従って、樹木のあるところ、赤土の露出しているところ、草地、ブッシュなどが見えるようになりました。
箱のようなものが10個程円形あるいは四角形に並んでいるのが時々見えました。
まるで日時計のようです。でも日時計がこんなに沢山あるなんてちょっと多すぎます。
目を凝らすと、「箱のようなもの」はどうやら家で、庭を囲んで丸や四角に建ち並んだ集落らしいです。
屋根は赤や青などカラフルにペンキで塗られていました。
もしかするとこの地の人々の家かも知れません。
草地には黒、茶色、斑の牛の群れが見えました。マサイの人達は牛の放牧をして半遊牧民的な暮らしをしていると何かで読みました。
きっと彼らの牛に違いありません、それなら目的地マサイ・マラも間もなくです。
 
そうこうするうちに飛行機は徐々に降下を始めました。
いよいよ待ちに待ったキチュワ・テンボ空港?に着陸です。
前橋をでてから丸一日以上、長かった旅の目的地も目前です。
私はとうとうマサイ・マラに来たのです。