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爪水虫の治し方
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今回は爪水虫の治療についてです。
爪水虫の治療は足水虫に比べるとやっかいです。足にいた水虫(白癬菌)がより深い爪の中にまで広がってしまっているわけですから。
爪に起こってしまった病変は、基本的に爪が生え変わることによってしか改善されないので、とにかく爪が伸びないと話になりません。
足の爪は新しい爪にすべてが置き換わるまで半年から1年かかりますから、長丁場です。
足水虫ではとにかく抗真菌薬を塗ろう、ということを前回書きましたが、爪水虫では基本的に飲み薬の治療になります。
飲み薬には①毎日1錠ずつ半年くらい飲み続ける薬、②月に1週間だけ飲むのを3回(3カ月)繰り返す薬(パルス療法)の2種類があります。
どちらも効果は同様にありますし、治療期間も爪が生え変わる期間ですから違いはありませんので、それぞれの薬の特徴をお話しして選択していただくことが多いです。
特にそれぞれの薬の欠点が重要になりますが、主に以下のような点です。
①の薬;時に肝機能などで血液検査異常が出ることがあるので、定期的に採血してチェックする必要があります。半年くらいを目安に毎日飲み続けないといけません。
②の薬;飲み合わせの悪い薬の種類がソコソコあります。月に1週間だけで済む反面、1回あたり飲むカプセルの数が多いのと、1回あたりのお値段はソコソコになります。
昨年爪水虫の話を本ブログで取り上げた時に、ちょうど爪水虫の新しい塗り薬が発売されたことを紹介しました。
実はこの薬が爪水虫としては初めての正式な塗り薬だったのです。
1年近くの間に多くの患者さんに使っていただきましたが、なかなかよい効果が見られています。
塗り薬開始時から2カ月ごとの経過です(左→右)。一番右の半年後には濁った部分が先端だけになっており、爪の伸びとともに良くなっているのが分かると思います。
濁った部分が線状や楔状の場合、飲み薬でも治りにくいことがありましたが、塗り薬だと病変部に直接染み込ませるので効果を出しやすいこともあります。
右の写真ではすっかり濁りが消えています。左の写真はその3カ月前ですが、もともと線状に濁った部分がありました。
このように塗り薬でも効果が期待できるようになりました。飲み薬にあるような全身への影響を考えなくてよいのは大きな利点ですね!
ただ、塗り薬は塗った部位にしか効かないので塗り残しの心配があることや、お値段がソコソコなことなどは注意です。
理想的には、水虫(白癬菌)が爪に広がる前に足だけの段階で治したい、もっと言えば白癬菌が足に感染する前に予防したい、ですが、爪水虫になっても(爪が伸びてくれれば)シッカリ治せます。
水虫が心配な方、水虫に悩んでいる方はいつでも皮膚科にご相談ください!
追伸
新潟県の星峠というところの棚田を見てきました。美しい!
水田の時期や、朝焼けの時間にはさらに幻想的な景色になるそうで、また見に行こうと思ってます。
酷暑の中、山を登って汗だくで辿り着いて撮った1枚!
頑張った甲斐アリ!と喜んでいたら、すぐ脇に駐車場がありました。。。