足の疾患(水虫、フットケアなど)

たこ?うおのめ?いぼ?

よく、「子供の足に「たこ」ができました〜」とご相談を受けますが、こういう時はたいてい「たこ」ではなくて「いぼ」なんです。

どちらも手や足などの皮膚にちょっとした盛り上がりができるものですが、「たこ」と「いぼ」はどう違うのでしょうか!?

 

「たこ」や「うおのめ」は同じ場所に繰り返し圧迫刺激がかかることで皮膚の最も表面の「角質」という部分が厚くなることを言います。

厚くなり方によって、くさび状に食い込んで厚くなる場合を「うおのめ」(痛い!)、平坦に厚くなる場合を「たこ」(痛くない!)と区別しています。

一方「いぼ」は、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)というウイルスが皮膚の細胞(表皮角化細胞)に感染することにより起こるもので、感染により細胞が増え「角質」も厚くなります。

どちらも表面から見れば、「厚い角質」なので見た目が似ているわけです。

しかも「いぼ」のウイルスは小さなキズから侵入して感染しますので、「たこ」や「うおのめ」ができるような刺激を受けやすい部位ではウイルスも入り込みやすいと考えられます。

見た目の違いや部位などいろいろな点から見極めようとしますが、区別がつかなかったり、混在していたりすることも多々あります。

ただお子さんの場合は体重が軽いこともあり圧迫刺激が少ないので、「たこ」や「うおのめ」は出来にくいのでしょう。

 

治療についても、原因が違うので当然違ってきます。

「たこ」や「うおのめ」は厚くなった皮膚を削ることで角質を元の厚さに戻すのが一番ですが、また圧迫を受ければ厚くなってしまうので予防が大事です。

厚みを取る方法はいくつかあり、保険診療でも対応していますが、広範囲の場合などは当院では専用の機械を使って効率的に削り落とします(「角質ケア」:当HP「フットケア」でもご紹介しています)。

一方「いぼ」の治療は、直接ウイルスをやっつける治療薬がないので、免疫を高めたり、物理的あるいは化学的な方法で、感染した細胞ごと排除するという方法がとられます。

実際には「液体窒素療法(えきたいちっそりょうほう)」で、ウイルスが感染した細胞を急に冷やした後急に温めて壊していくような治療をするのが一般的です。

数が多かったり、大きい場合は治療(通院)回数が必要になりますので、出来るだけ早い段階で気づいて治療を始めたいものです。

 

液体窒素療法は主に綿球法という、液体窒素をしみこませた綿球を患部にあてる方法が一般的です。

微調整はしやすいですが、患部が広範囲の場合などはなかなか手間がかかり液体窒素が十分に行き渡らないこともあります。

より効率的な治療ができるよう、今回当院ではスプレー法を導入しました!(メーカーの方のお話によると、群馬県内では当院が初めての導入だそうです。)

スプレー

効果を期待してます!

 

追伸

今月末から学会参加のため、数日不在になり、失礼いたします。

ちょうど今月号の「日本皮膚科学会雑誌」に論文が掲載され、その内容をポスター発表してきます!

今回はポスターを初めて布に印刷、便利な時代になりました。畳めます(° o°;;

紙印刷のときは、長い筒に入れて、プロゴルファー猿的に肩にかけて学会会場まで移動してたんですよね(- -;)

 

長め

こちらも長い筒のようですが、、、(本文とは直接関係ありません)

 

 

 

 

 

 

 

 

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