『オッハー』
今年の流行語大賞に慎吾ママのご挨拶『オッハー』が1位になった。その他に候
補が幾つもあったらしい。『IT革命』は何でも森総理が使い始めだったそうで彼の
演説にはたびたび登場していたが、廣く街角で口にされると言うことは無いように
思えた。私が1票投じるなら総理不信任案問題で国会が揺れ動いたときに扇氏や
野中氏、森総理などが盛んに口にしていた『粛々と』を挙げたかもしれない。
この言葉は主として政界で流行した。一人(私の記憶では野中氏)が使い始めると、
お偉いさんの口から次々に飛び出してきたのでおかしかった。しかし、この言葉も
流行は国会内に留まったと見えて、巷では殆ど聞かれなかった。
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それらに対して『オッハー』は小さい子供から若者層に大人気で、外来の入り
口から顔を覗かせて「オッハー!」とを差し出す子もいる。私くらいの年代では
いささか使いにくいが、低年齢層ではかなり廣く浸透している。テレビの人気
番組の中で生まれ、さらに軽快なリズムと易しい歌詞で歌う『慎吾ママの
おはロック』が子供達に受け入れられ流行の波に乗ったと思われる。
『おはロック』は『だんご3兄弟』と同様今やスーパーのBGMとして使われて
いる。
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何年か欠席していた忘年会に今年は出席することにした。外来の主任看護婦
が「忘年会に出るの久しぶりですね。外来グループの隠し芸にも出てくださいよ。
『おはロック』をみんなで踊ることにしたんです。院長には【慎吾ママ】になって
貰う予定です、先生は【隣の奥さん】役はどうかしたら」と言う。どうせ恥をかく
のなら、【隣の奥さん】じゃあ当たり前すぎてつまらない。「ど派手な役柄がいい
わ」と言うと「じゃあ、【突っ張り兄さん】にしましょう」の一言で決まった。当日の
いで立ちは、リーゼントのカツラ、黒のサングラス、ピンクのネクタイにジーパ
ンという出で立ち。院長の【慎吾ママ】は看護婦さんの手でアッと言う間に金髪の
カツラをのせられ、メーキャップを施され、ふりふりのエプロン姿に変身。【東大
医学部を目指す学生】、【イイ男募集中のミニスカートの彼女】、【おじいさん・
おばあさんのカップル】などなど。アッと言う間に3分間が過ぎ、最後に全員で
「オッハー!」と叫ぶと会場に爆笑がとどろいた。やる前はみんな恥ずかしがって
いたがいざ本番になるとすっかりはまってしまって出演者自身も楽しんで
しまった。本来の自分とは違ったキャラクターになりきり、非日常を演ずることは
快感であった。終了後、異口同音に「楽しかったわ、来年もまた何かやりましょうね」
という言葉が飛び交った。ただし、外来グループの中で白一点だった院長は
終始無言-果たして来年も参加してもらえるのだろうか。
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